2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「原子力マインドコントロール」を解除する

先日、ニュースで避難所の女性がインタビューを受けて「自分たちは原発がなかったら、全員失業していただろう」という意味のことを答えていた。私は自分の耳を疑った。 自分の故郷に原発が誘致され、自分も含めて周りの住民がそこで働くことになり、それは割…

頑張るな、日本!!

公共広告は、タレントやスポーツ選手を駆使して、盛んに「頑張れ、日本!!」と訴えている。そこで私はあえて言いたい。「頑張るな、日本!!」 もちろん、今現場で頑張らなければならない人たちがいる。その人たちには、頑張ってもらわなければならないし、…

日本の復興に必要なのは価値の大転換である

毎年六月に地元で開かれる祭りの実行委員になってくれないかと頼まれた。この震災騒ぎに巻き込まれるようにして、その祭りの中心にいた長老格の人物が亡くなられ、祭りの求心力を失ったまま、今年も開催しようということになった。そこで私にもお呼びがかか…

祈りの唱

蒼ざめた僕らの目の前に 巨大な焚き火が燃えている 薪のはぜる音が けたたましく木霊し 噴き上がる煙が 夜空に広がって やがて火の粉も煙も 大気と混ざり合う 見上げれば 満天の星 誰かが言った 星とは 空に開いた穴だと その穴の向こうは 光の世界焚き火の…

ホピの予言と日本人

合衆国アリゾナ州北部に、アメリカ最古の先住民といわれるホピ族がいる。彼らは、優に五万年の歴史を口伝で伝承している。 彼らが一万年前から先祖代々語り継いできた予言によると、現在のこの世界は、地上に現れた四番目の世界だという。前にあった三つの世…

平和の使者からのメッセージ

世界平和や地球環境、人類にとって何がいちばん大切なのか、といったことについて、もっとも重要な発言をしているのは、伝統的に深い叡智を持つネイティヴの人たち、特にアメリカのホピ族の人たちではないかと、私はつねづね思っている。ホピ族の人たちは、…

ローカリズムからグローバリズムへ

3.11に、マグニチュード9.0の大地震とそれに続く大津波が東北を襲い、そして12日に福島第一原発の一号機、14日には三号機が水素爆発を起こし、そしていまだに原発事故収拾の見通しが立たない(相変わらず放射能が漏れ続けている)という未曽有の…

原子力問題における「炭鉱のカナリア」たち

ある人物が語っている内容が、事実であるか虚偽であるか、その判断がにわかにはつきにくい、あるいは検証の手段がただちには見つからない場合、あなたなら何をもってその真否を判断するだろうか。 その人の口が語っていることと目が語っていることが食い違っ…

風評被害は政府が作り出している

政府は、今回の原発事故で、現在どのくらいの放射能が放出され、大気や土壌や水をどのくらい汚染したか、あるいは将来にわたって、その汚染がどのくらい広がる(あるいは収束する)見通しなのか、といった具体的な情報を開示しなくなって(あるいは、開示が…

東電は損害賠償する必要がない?

今回の原発事故に関する東電の記者会見などを見ていると、「地震と津波が想定外の規模だった」とか「未曾有の天災」といった表現を連発し、「想定内」とか「人災」といった表現は、口が裂けても言わない、というような態度をかたくなに貫いているかに見える…

東電の経営体質を問う

1981年、経営危機に陥っていたスカンジナビア航空に新しい社長、ヤン・カールソンが就任した。彼はわずか一年で会社を黒字に変え、3年後には『エア・トランスポート・ワールド』誌が選ぶ年間最優秀航空会社にまで引き上げた。 彼は、社員を奮起させ、経営不振…

表現者たちの「戦後の後始末」

「原爆の図」を描いた画家としてよく知られる丸木位里・丸木俊夫妻は、アメリカに招待されて「原爆の図」展を開いたとき、その展覧会を主催したアメリカ人に「アメリカであなた方の絵を展示するのは、中国人が持ってきた南京の絵を日本で展示するようなもの…

原発事故は戦後の後始末を怠ってきたツケである

何らかのかたちで広島・長崎を経験し、第五福竜丸を経験した人たちで、核の危険性を世界中に訴え、安全で平和な世界を構築しようと、骨身を惜しまずに努力してこられた方々は、日本人こそ核問題における「炭鉱のカナリア」だったはずだという思いが、さぞか…

「死に甲斐」の創造

アメリカ「フォーチュン」誌によって優良企業に選ばれ、その評価を維持し続けているハーマンミラー社のCEOであるマックス・ドゥプリー氏は、その経営哲学を表した著書「リーダーシップは君子のように」(経済界)の中で、非常に興味深い指摘をしている。…

遅まきながらの「体制」始動か?

私は、「ブラッドシフト」作戦の提言に始まり、今最も緊急に大量の血を注ぎ込む必要があるのは福島第一原発であるとの認識につなぎ、私たち在野の人間にとって重要なことは、放射能の数値ばかりを追いかける(モニタリングする)のでなく、事態の収拾に向け…

避難所素描

60代男性。福島第一原発の20キロ圏内で畜産農業を営んでいた。放射能漏れによる避難勧告が出されたとき、あくまで一時退避で、すぐに戻れると思っていた。自分の周りの人たちは、だいたいそう思っていたはずだ。そこで、鶏舎は開けておいたが、牛舎の扉…

「復旧」「復興」「修復」に「待った!」をかける

今、私がいちばん危機感を抱いている言葉がある。それは「復旧」とか「復興」とか「修復」という言葉だ。おそらくこれらは今、日に何度も人々の口をついて出ている言葉だろう。しかし私はあえてこの言葉に「待った!」と言いたい。 「復」という字のつくこれ…