放射能被害は「科学的判断」ではなく「政治的判断」の問題である

■私たちは究極の選択に迫られている この時期、放射能汚染で強制避難区域や避難勧奨区域となっているエリアの住民の方々はもとより、そうでなくとも、決して低い線量とは言えない微妙な区域(たとえばホットスポットのような)にお住まいの方々、特に小さな…

今こそ「SOS from Fukushima」を発信すべし!!

■「Appeal for Fukushima」で国連を動かす? 「Appeal for Fukushima」というサイトがある。→ http://www.appealforfukushima.com/ja/ フランスのCecile Monnier(セシール・モニエ?)なる人物が管理運営しているようだが、このサイトで、以下のような趣旨…

「科学的判断」と「政治的判断」を混同してはならない

■デンマーク風力発電が抱える問題点 私はデンマークという国に行ったこともないし、デンマーク人の知り合いがいるわけでもない。それを承知の上で、デンマークのエネルギー政策についてこのブログで紹介してきた。それは、かつて中曽根元首相が「不沈艦」と…

生産者も消費者も、ともに立ち上がれ!!

■生産者が訴えかけるべき相手 福島を中心とする周辺地域では、「頑張ろう○○!!」「風評被害に負けるな!!」とばかり、農産物などの安全性アピールのための様々な試みがなされているようだ。イベントを開き、人気タレントを呼んできて消費者にアピールした…

村上春樹の回心

今回はまず、私自身の「告白」から始めなければならないだろう。この震災とそれに続く原発事故が起きるまでは、正直なところ、私は原子力の問題について、それほど熱心に考えるタイプの人間ではなかった。ただし、まったく関心がなかったわけではない。むし…

NHKスペシャル「検証・原発危機①事故はなぜ深刻化したのか」(6月5日)

NHKスペシャル「検証・原発危機①事故はなぜ深刻化したのか」(6月5日)を見た。これを見ると、3.11の震災以来、原発事故への東電や政府の対応に関し、何ひとつ手際よくいったものなどなかった、ということがよくわかる。すべてのことが不手際、不首…

東京はリーダー不在

出典は定かでないが、あるビジネス書に次のような一節があった。「マネージメントとは、可能なことが不可能にならないようにするシステム。リーダーシップとは、不可能に見えることも可能にする力」 マネージメントとリーダーシップに関し、これほど明瞭で的…

震災後雑感

反原発の気骨ある論客、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が、23日、参議院の行政監視委員会に参考人として呼ばれ、話をしている様子をYouTubeで見た。 http://www.youtube.com/watch?v=8WNFcNOkzIY&feature=related その話の最後に、小出氏は…

デンマーク人精神を日本人に移植する

3月11日の午後2時46分以来、日本中の時計が止まっている状態かもしれない。しかし、この時計はむやみに動かしてはならない。今は、まず立ち止まり、自分たちの足元をよく確かめ、今までその足先はどちらの方へ向いていたのか、それが本当にこれからも…

デンマークに学ぶ脱原発市民運動

■OOAの働き デンマークが、第一次オイルショックを機に原子力推進へと傾きかけるのを、「OOA」(原子力情報組織)という全国規模の環境NGOが大きな働きをして原子力放棄へと方向転換させたことはすでに触れたが、この草の根運動によって国策を覆すと…

「グリーン電力証書」とは何か?

NPO法人・環境エネルギー政策研究所所長であり、エナジーグリーン株式会社の代表取締役でもある飯田哲也氏は、北欧(特にデンマーク)のエネルギー政策を参考に、2000年、東京電力、ソニーとともに、三者共同プロジェクトとして「グリーン電力証書」の仕…

日本はデンマークに学ぶべし

まず特筆すべきは、デンマークは日本と同じく、エネルギー自給率の極端に低い典型的な「エネルギー弱小国」だったということ。一次エネルギー自給率はわずかに1.5パーセント。その一次エネルギーの89パーセントまでが石油であり、その石油の90パーセ…

日本はエネルギー後進国

1978年、カーター政権のもと、アメリカで「PURPA法」という法律が制定された。PURPAとは、Public Utility Regulatory Policy Actの略で、日本語では「公益事業規制政策法」と訳されている。 この法律の大きな柱は3つ。 ○一定の条件を満たせば…

自治体よ、原発依存から自立せよ!

あなたは、名うてのギャンブラーだったとしよう。あなたは巨費を投じてきわめてリスクの高い賭けに出た。ハイリスク=ハイリターンの原則にてらして、無尽蔵のリターンが期待できると踏んだからだ。ところが「想定外」の事態が起こり、膨大なツケを支払わさ…

「想定外」とは何を想定していたのか

さる筋から、信じ難い驚くべき話を聞いた。それは、3月12日に福島第一原発の一号機が水素爆発を起こす前に、すでに現場で起こっていたことである。いや、もっと正確に言うなら、「起こっていた」ことではなく、起こるべきでありながら「起こっていなかっ…

避難所素描part2

福島県田村郡三春町。町の名は、この時期、梅と桃と桜がいっぺんに咲くところからきている。「滝桜」の名で知られる桜の巨木は有名で、文字通り、滝が流れるように花をつける。このシーズンには、花見の客で渋滞になるほどの賑わいを見せる名所だ。 福島原発…

被災地探訪(福島県相馬市)

東北自動車道・福島西インターを降りて115号線(中村街道)を東へ向かう。この道は、よくある山里の風景が続く道だ。途中、霊山(りょうぜん)付近で休憩に寄ったドライブインでは、家族連れがアイスクリームを頬張る姿が見受けられた。当然だが、福島ナンバ…

「原子力マインドコントロール」を解除する

先日、ニュースで避難所の女性がインタビューを受けて「自分たちは原発がなかったら、全員失業していただろう」という意味のことを答えていた。私は自分の耳を疑った。 自分の故郷に原発が誘致され、自分も含めて周りの住民がそこで働くことになり、それは割…

頑張るな、日本!!

公共広告は、タレントやスポーツ選手を駆使して、盛んに「頑張れ、日本!!」と訴えている。そこで私はあえて言いたい。「頑張るな、日本!!」 もちろん、今現場で頑張らなければならない人たちがいる。その人たちには、頑張ってもらわなければならないし、…

日本の復興に必要なのは価値の大転換である

毎年六月に地元で開かれる祭りの実行委員になってくれないかと頼まれた。この震災騒ぎに巻き込まれるようにして、その祭りの中心にいた長老格の人物が亡くなられ、祭りの求心力を失ったまま、今年も開催しようということになった。そこで私にもお呼びがかか…

祈りの唱

蒼ざめた僕らの目の前に 巨大な焚き火が燃えている 薪のはぜる音が けたたましく木霊し 噴き上がる煙が 夜空に広がって やがて火の粉も煙も 大気と混ざり合う 見上げれば 満天の星 誰かが言った 星とは 空に開いた穴だと その穴の向こうは 光の世界焚き火の…

ホピの予言と日本人

合衆国アリゾナ州北部に、アメリカ最古の先住民といわれるホピ族がいる。彼らは、優に五万年の歴史を口伝で伝承している。 彼らが一万年前から先祖代々語り継いできた予言によると、現在のこの世界は、地上に現れた四番目の世界だという。前にあった三つの世…

平和の使者からのメッセージ

世界平和や地球環境、人類にとって何がいちばん大切なのか、といったことについて、もっとも重要な発言をしているのは、伝統的に深い叡智を持つネイティヴの人たち、特にアメリカのホピ族の人たちではないかと、私はつねづね思っている。ホピ族の人たちは、…

ローカリズムからグローバリズムへ

3.11に、マグニチュード9.0の大地震とそれに続く大津波が東北を襲い、そして12日に福島第一原発の一号機、14日には三号機が水素爆発を起こし、そしていまだに原発事故収拾の見通しが立たない(相変わらず放射能が漏れ続けている)という未曽有の…

原子力問題における「炭鉱のカナリア」たち

ある人物が語っている内容が、事実であるか虚偽であるか、その判断がにわかにはつきにくい、あるいは検証の手段がただちには見つからない場合、あなたなら何をもってその真否を判断するだろうか。 その人の口が語っていることと目が語っていることが食い違っ…

風評被害は政府が作り出している

政府は、今回の原発事故で、現在どのくらいの放射能が放出され、大気や土壌や水をどのくらい汚染したか、あるいは将来にわたって、その汚染がどのくらい広がる(あるいは収束する)見通しなのか、といった具体的な情報を開示しなくなって(あるいは、開示が…

東電は損害賠償する必要がない?

今回の原発事故に関する東電の記者会見などを見ていると、「地震と津波が想定外の規模だった」とか「未曾有の天災」といった表現を連発し、「想定内」とか「人災」といった表現は、口が裂けても言わない、というような態度をかたくなに貫いているかに見える…

東電の経営体質を問う

1981年、経営危機に陥っていたスカンジナビア航空に新しい社長、ヤン・カールソンが就任した。彼はわずか一年で会社を黒字に変え、3年後には『エア・トランスポート・ワールド』誌が選ぶ年間最優秀航空会社にまで引き上げた。 彼は、社員を奮起させ、経営不振…

表現者たちの「戦後の後始末」

「原爆の図」を描いた画家としてよく知られる丸木位里・丸木俊夫妻は、アメリカに招待されて「原爆の図」展を開いたとき、その展覧会を主催したアメリカ人に「アメリカであなた方の絵を展示するのは、中国人が持ってきた南京の絵を日本で展示するようなもの…

原発事故は戦後の後始末を怠ってきたツケである

何らかのかたちで広島・長崎を経験し、第五福竜丸を経験した人たちで、核の危険性を世界中に訴え、安全で平和な世界を構築しようと、骨身を惜しまずに努力してこられた方々は、日本人こそ核問題における「炭鉱のカナリア」だったはずだという思いが、さぞか…