「ブラッドシフト」作戦のご提案

この大震災に、私として思うところあり、このブログを次のような文章から始めようかと思う。


「ブラッドシフト」作戦のご提案

 今の日本にいちばん必要なことは「ブラッドシフト(Blood Shift)」を起こすことではないかと思います。

 「ブラッドシフト」とは、素潜りで深く水の中へ潜ったときなどに、人間の体に起きる生理現象だと言われています。酸素の供給が断たれたとき、心臓や脳など、生命維持に必要不可欠な臓器に、より多くの酸素が行き渡るよう、他の部位への血流をなるべく抑えるという働きです。

 今回の震災で被災された方々は、今極端な血流不足で死に瀕しています。今の東北は、日本列島にとって心臓や脳に値します。東北に血流を集めないかぎり、日本列島全体が死に瀕するでしょう。「東北はもうダメだから、せめて南西だけでも生き残らせよう」といった「トカゲの尻尾切り」的な考えは絶対にしないでください。東と西は繋がっています。北と南はひとつです。

 「自分も苦しいが、もっと苦しんでいる人たちがいる」という考えこそが、ブラッドシフトへの第一歩です。だから「多少貧血気味になろうと、自分の生命維持に問題がないかぎり、不要不急のエネルギー消費を控えよう」とするなら、その節約は必ずや被災者の方々に、より多くの血を提供することに繋がるはずです(この場合の血とは、生命維持に必要な水や食糧その他の物資、人員、エネルギー、情報といったもののすべてを表します)。

 この「節約」という消極的な行為が、功を奏したかどうかのひとつのバロメーターは、計画停電が実施されずに済んだかどうか、ということです。「意地でも計画停電を起こさせないぞ」という気概を持ちましょう。

 ブラッドシフトへの次のステップは、自分の身近にいる人で、自分よりも被災者に近い誰かを一人思い浮かべ、自分はその人に何ができるかを考え、それを行動に移すことです。その助け合いの連鎖は、必ず被災者へと繋がります。

「被災者への供給が不足しないよう、不要不急の買いだめに走らないでください」という呼びかけがあります。この呼びかけの裏には「あなたが不要不急の消費を控えるなら、その影響は必ず被災者に及ぶ」という考えが隠れています。あなたの考えや行動が、正であれ負であれ、どのみち他者へ影響を与えるとしたら、もっぱら正の影響をもたらすことに努めませんか?

 ブラッドシフトの最終段階は、すべての血が混じり合い、ひとつになることです。すでに多くの被災者の方々が関東以南に避難しています。これによって、北と南、東と西の垣根は取り払われ、日本列島は真の意味で一枚岩となるでしょう。